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読売新聞オンライン

 【ロンドン=広瀬誠、ブリュッセル=畠山朋子】英国のジョンソン首相は30日、中国による国家安全維持法成立を受け、「深く懸念している。『中英共同宣言』に反していないかどうか詳しく調べ、しかるべき対応を明らかにする」と記者団に述べた。

 香港の宗主国だった英国は1984年、香港を中国に返還した後も「高度な自治」を維持すると明記した「中英共同宣言」に調印した。英政府はこれまで、中国が国家安全維持法によってこの国際合意を破り、「一国二制度」を形骸化させると厳しく批判してきた。

 ドミニク・ラーブ英外相は30日、下院で「中国が国家安全維持法を施行すれば『一国二制度』は危機にさらされる」と述べた。ロイター通信によると、ラーブ氏は国連人権理事会に国家安全維持法の問題を提起する考えを示した。

 英国の最大野党・労働党で「影の内閣」の外相を務めるリサ・ナンディ下院議員も「香港への支持をためらうべきではない」と述べ、英政府に中国への厳しい対応を求めた。

 一方、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は30日の記者会見で「法の支配を脅かす恐れがあり、真剣に懸念している。どう対応すべきか慎重に検討する」と述べた。

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