7/2(木) 14:29配信
河北新報

野田准教授(右)らが開発したクマよけ効果のある木ぐい

 秋田県立大木材高度加工研究所(能代市)と、木材加工販売の「ウッディさんない」(横手市)は、ツキノワグマが嫌うトウガラシのにおいを発する木ぐいを開発した。田畑、果樹園の囲いや侵入防止柵、登山道での案内板、標識などへの活用が見込まれ、増加するクマによる人への危害と農作物被害を防ぐ。

 木ぐいは県産スギ材を使い、トウガラシ粉末とエタノールを混ぜた液体を染み込ませた直径3センチ、長さ3センチの木の栓を打ち込んでいる。長さ2メートル、直径12センチのくいに36個の栓を埋め込み、においで近寄らせない上、近づいて触れても辛味で追い払う。

 少なくとも2年間は効果が続くという。効果が薄くなった際は栓だけを新品と交換できる。木ぐいは商品化し、来年以降の本格販売開始を目指す。

 開発は2017年に始まり、18年からはクマが嫌うにおい、味を調べる実験を仙北、横手両市の果樹園などで行っている。19年6月からは秋田市大森山動物園の協力で、飼育クマでの実験も開始。結果、トウガラシとミントのにおい、味を嫌がることが分かった。

 研究所の野田龍准教授(生物資源科学)は「クマの高い学習能力を利用し、においで危険な場所と思わせ、その学習内容を子にも受け継がせることで永続的な対策につながる。木ぐいで人の生活圏とクマの生息域との間に境界線を設けて共存を目指す」と話した。

https://amd.c.yimg.jp/amd/20200702-00000018-khks-000-1-view.jpg

https://news.yahoo.co.jp/articles/739939d4861da00cfdf095634a5a1e1e8802062c