7/3(金) 1:12配信
時事通信
 
 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から筋肉の再生能力を持つ「骨格筋幹細胞」を作ることができたと、京都大iPS細胞研究所などの研究チームが発表した。マウスに移植したところ、筋肉の収縮力が向上する効果が得られたという。

 研究チームは、全身の筋力が低下する難病の筋ジストロフィーの治療に生かせる可能性があるとしている。論文が3日、米科学誌ステムセル・リポーツ電子版に掲載される。 

 骨格筋が激しい運動などで傷つくと、骨格筋幹細胞が活性化し、損傷部を修復する。研究チームは、一連の過程で現れる2種類の遺伝子に注目し、効率的にiPS細胞を骨格筋幹細胞に変えることに成功した。

 筋ジストロフィーのマウスを使った実験では、すねの筋肉に移植したところ、多くの筋線維が再生しているのが確認できた。脚で踏む力もわずかに改善したという。

 同研究所の桜井英俊准教授は「繰り返し筋肉を再生する能力があれば、1回移植しただけで長期間、(治療の)効果が続くのではないか」と期待を示した。一方で、移植した細胞が腫瘍化しないかを確認するなどの課題があると指摘した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a78332b95adc86cb81ae763baa0f8f1ba2bd78a0