【週刊エコノミストOnline】
7/3(金) 10:04配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e513df9fd27ea4be963b7ced66b02f4dec577bfb

 まず、観光客が感染を拡大させたのではなかったこと。
国立感染症研究所が4月27日に発表したウイルスのゲノム解析のリポートでも明らかだが、
中国人観光客のもたらした第1波は、2月中にクラスター対策で制圧された。

 第二に、飛行機や通勤電車など公共交通機関の中では、感染は広がらないこと。
満員電車で感染が広まるのなら、乗車時間の長い埼玉県や千葉県の感染率が、
自粛の前にもっと高くなっていないとつじつまが合わない。
乗員や空港・駅の勤務者のクラスターも発生していない。

 上記リポートにもあるが、3月中旬から急拡大した感染の第2波をもたらしたのは、
欧米からの日本人帰国者だった。中国から欧米に伝わって変異したウイルスが、
帰国した駐在員や旅行者などにより国内に持ち込まれたのだ。

 また、ウイルスからみても、都心には郊外に比べて
感染を広げるチャンスが多かっただろう。
窓の開かない超高層オフィスやタワーマンションが林立している。
身体的接触が欧米人に比べて控えめな日本人も、
オフィスではお互いに顔を近づけて会話しがちだ。
夜の歓楽街でも、お互いの息がかかる距離で会話が行われる。
銀座や新宿(東京都)、北新地(大阪市)、天神(福岡市)などで
遊んだ人たちが感染を広げてしまった。