2020年7月4日 4時31分西日本豪雨
おととしの西日本豪雨で、自宅の2階以上まで浸水して多くの人が犠牲になった岡山県倉敷市真備町で、新たに建てられた住宅の3割が平屋であることがNHKの取材で分かりました。専門家は早めの避難が大切だとしたうえで「万が一、逃げ遅れたとしても、避難できる2階以上の建物を地域の中に数多く用意する必要がある」と指摘しています。

西日本豪雨で倉敷市真備町では、堤防が決壊するなどして広範囲で浸水して、災害関連死を除く51人が犠牲となり、このうち8割(41人)は平屋の自宅や2階建て住宅の1階で見つかりました。

多くの建物で浸水は2階の高さにまで達し、建物の2階以上に避難する「垂直避難」さえ困難だった実態が浮き彫りになっています。

こうした中、NHKが豪雨のあとに建てられた住宅について、市に提出された「建築計画概要書」をもとに調べたところ、ことし3月末までに建設された953棟のうち、32%にあたる307棟が平屋だったことが分かりました。

去年、全国で建てられた新築住宅に占める平屋の割合の3倍にのぼります。

平屋を建てた理由について住民は「資金不足で2階建て以上の住宅を建てられなかった」とか、「高齢で足が悪いため、2階に上がるのが難しい」としています。

倉敷市真備町では堤防の機能を強化するなどの対策工事が進められていますが、2023年度末までかかるうえ、国土交通省によりますと工事が終わっても、浸水のリスクはゼロにはならないということです。

災害に強いまちづくりに詳しい東京大学生産技術研究所の加藤孝明教授は、大雨が予想される際には早めに安全な場所へ移動することが大切だとしたうえで「平屋で暮らす高齢者が多いことを前提に、万が一、逃げ遅れたとしても避難できる2階以上の建物を地域の中に数多く用意しておく必要がある」と指摘しています。




平屋で住宅再建 高齢者の事情
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200704/k10012495071000.html