【現職都議が検証】『女帝 小池百合子』のリアルな書評(抜粋)
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こんにちは、藤井あきら(東京都議会議員/府中市選出)です。
少し乗り遅れた感がありますが、話題の『女帝 小池百合子』読みました。

私の知らない小池都知事の事が書いてあるとのことで楽しみにしておりましたが、読み進めるにつれて、私の知る小池知事のイメージとの余りの違いに、違和感が大きくなっていきました。
その違和感の正体を明らかにするため、ネタバレを含んだ書評を書いてみようと思います。

◆最初の違和感

約3年半前から、100人以上に取材を重ね、この都知事選挙のタイミングを狙って出版してきたあたり、販売戦略を含めて大変練られているなと思いました。
ただ、描かれる「女帝」の印象が、間近で見る小池都知事のものと全く違う事に、冒頭から違和感がありました。
あまりにも話ができすぎているなと。

例えば、小池氏の幼少期の「痣」の話が象徴的に書かれおり、この冒頭の「痣」を隠して暮らしていたという話から、都知事選の「厚化粧」の話の流れは大変面白いストーリーでした。
しかし、これ本当の話でしょうか?
子どもの時の匿名の隣人などの証言を挟みつつ、作者は「〜だろう」「〜ないだろうか」と推測を書きながら、グイグイと読書を意図する方向へ導いていきます。

コンプレックスが「女帝」を作り上げたというストーリーなのですが、間近で見ている小池知事がとてもそのようには見えず、ここにも大きな違和感がありました。
「これは単なる憶測ではないだろうか?」という疑念が湧いてきます。

しかも、あきらかに悪意があります。
どうして、この作者の石井妙子さんは小池百合子知事のことがこんなにも嫌いなんだろうという気がしてきます。

そう言った視点で見ていると、匿名の証言者が都合よく出てくる点も気になりました。
存在しない匿名の証言者に、自分の憶測を「証言」させるというのは、三流雑誌のライターがよく使う手法です。

証言を元にしているため訴訟など何かあった時、記者は安全です。
自分の意見ではなないと言うことができますし、取材先を隠すものなので発言者は特定することも出来ないそうです。