こいつの高笑いが聞こえる


発信箱:ダムと日本人=福岡賢正(毎日新聞西部報道部)

長年の被害に耐えかねた住民の運動で撤去が決まった球磨川の荒瀬ダムが、水門を全開して10カ月。撤去工事は来年からで、まだ開門しただけだが、巨大な水たまりが消えて流れが戻ったことで、川が注ぐ八代海にまで目覚ましい変化が現れ始めた。
ぬかるんで人が近づけなかった河口干潟にダムで遮断されていた砂が供給され、歩ける面積が時を追うごとに広がりつつあるのだ。

その同じ時に、自治体の反発で民主党の脱ダム路線が尻すぼみとなり、各地でダム計画が続々蘇生しつつある。
私たちは何と懲りない民族なのだろう。