2020年7月5日 8:03
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO61177260V00C20A7TJC000

キヤノン電子の人工衛星「CE-SAT-IB」を搭載したロケット「エレクトロン」が5日、打ち上げられたが機体に不具合が起きて行方不明となり、失敗に終わった。スタートアップのロケットラボがニュージーランドにある発射場で日本時間の午前6時20分ごろに打ち上げた。同社によると、2段階目の燃焼時に機体トラブルが発生したという。

同日発射されたロケットには7基の小型衛星が搭載されていた。その1つであるキヤノン電子の衛星は、キヤノン製のデジタルカメラ2台を備えていた。高度500キロメートルから地上の写真を撮影するなど、2年間の性能試験に臨む予定だった。

キヤノン電子は2017年に1基目の衛星の打ち上げに成功。20年後半にも、今回の発射場でロケットラボによる衛星3号基を搭載したロケットの打ち上げを予定している。

2号基の打ち上げは、新型コロナの感染拡大を受けて当初予定の5月中旬ごろから遅れていた。海外渡航の制限により、キヤノン電子や米国にいるロケットラボの技術者が現地に入れなかったという。実際の発射も、天候のために打ち上げが1日延期されていた。ロケットラボが提供するライブストリーミング映像では順調に上昇しているように見えたが、機体を喪失したという。