埼玉県内では8日、新たに48人の新型コロナウイルスの感染が確認された。新規感染者が40人を超えたのは、4月16日以来、約3か月ぶり。過去4番目に多い感染者数で、緊急事態宣言の発令中並みの人数となった。県は県民に対し、感染症対策が十分ではないキャバクラ店などの利用を避けるよう、改正新型インフルエンザ対策特別措置法24条に基づく協力要請も行った。県担当者は「若い世代が『夜の街』で感染したことから感染者の急増につながった。次の段階に上がるかどうかの瀬戸際」と警鐘を鳴らした。

新規感染者の内訳は、県発表が22人、さいたま市が22人、川口市が1人、川越市が1人、越谷市が2人。県内の感染者は累計1330人となった。

 さいたま市が発表した新規感染者のうち10人は、大宮区にあるホストクラブの20歳代〜40歳代の男性従業員。また、クラスター(感染集団)が発生した越谷市のキャバクラ店「クラブアテナ」に勤めるさいたま市内の男女2人(いずれも20歳代)の感染も発表した。

 県が発表の新規感染者の1人は、さいたま市に住む警視庁の男性警察官(20歳代)。越谷市は未就学女児1人の感染を発表した。

 感染経路不明者が増えており、県保健医療部の担当者は「若い人から少しずつ、市中感染が広がりつつある」との見解を示した。

 新たに48人の新規感染が確認されたことで、7月2〜8日の1週間での累計感染者数は184人となった。

 「週184人」は、県が厚生労働省のモデルに従って推計した感染者数予測の基準値で、「外出自粛要請」などを行う一つのタイミングとして示した数値だ。厚労省のモデルでは「要請が6日遅れるとピーク時の患者数は、ほぼ倍増する」としており、県は大きな決断を迫られている。


 県によると、8日夕現在、入院者は指定医療機関が35人、一般医療機関が76人。ホテル療養は44人、自宅療養は28人。医療機関の退院やホテル・自宅療養の終了者は1032人となった。

 さいたま市が8日に男性従業員10人の新規感染を発表したホストクラブは、同市大宮区の繁華街「大宮南銀座(通称・南銀なんぎん)」にある。

 市は、1日に感染を発表していた男性についても同店従業員であることが判明したとしており、同店の感染者は従業員だけで11人に上った。市は「クラスター(感染集団)化した」との認識を示した。

 市はクラスター化した店については原則、店名を公表するとしているが、同店は会員制であることから「客が把握できている」として明らかにしなかった。

 一方、店側は6日、ツイッターで従業員の感染の事実と、臨時休業していることを公表した。

 市によると、1日に感染を発表した男性(20歳代)については、市は男性の説明通りに「無職」としていたが、3日になって「実はホストだった」と名乗り出たという。

 店側は6月25日以降に来店した約30人に連絡しており、市は順次、検査するとしている。

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