7/10(金) 14:00
朝日新聞デジタル

戦後初の日本の翼「YS11」 組み立て作業を公開へ
公開のため組み立て作業が続くYS11の量産1号機=2020年7月10日午前10時24分、茨城県筑西市、杉本康弘撮影
 戦後初の国産民間輸送機YS11の量産1号機の組み立て作業が11日から茨城県筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」で一般公開される。組み立て作業は年末まで続き、完成は来春の見通し。

 YS11は敗戦で航空機開発を7年間禁止された日本政府が1950年代から国策として手がけたプロペラ機。機体は国立科学博物館(東京・上野)が所有し、羽田空港の格納庫で20年ほど保管されていたが、維持・管理に年間約1千万円かかり、保管先を探すことに。そこに新幹線の車両などを展示するテーマパークが名乗りを上げた。

 機体はいったん解体した上で、3月27日に移された。解体と組み立てに際し科博が整備士を探し、YS11の運航に関わった元整備士ら約30人が集まった。30年以上、機体の整備に携わった井坂富夫さん(76)は「自分と一緒に歩いてきた機体。もう関わることはないと思っていたが、懐かしい」と話す。

 組み立て作業の公開は26日まで。無料で、見学時間は午前10時〜午後3時。科博の産業技術史資料情報センター(茨城県つくば市)の鈴木一義センター長は「戦後日本の技術の粋を集めた飛行機で、貴重な機会」としている。

 コロナ禍で科博の入館料収入が激減し、組み立てに必要な約8千万円の費用のうち、3千万円を目標にクラウドファンディング(CF)で11月6日まで資金を募る。出資者には、機内見学ツアーへの参加権や、機内に名前を残す権利が与えられる。

https://amd.c.yimg.jp/amd/20200710-00000039-asahi-000-1-view.jpg

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200710-00000039-asahi-soci