https://news.yahoo.co.jp/articles/302c9f3613e89b90a44bd932114a709323ae97b0
 精神的ストレスを原因とする心臓疾患「ブロークンハート症候群」の症例が、新型コロナウイルスに感染していない患者の間で急増していることが、
米オハイオ州の2つの病院で行われた実態調査で明らかになった。
研究チームは、新型コロナウイルス流行に伴う精神的、社会的、経済的ストレスの身体的影響を指摘している。

調査結果は9日の医学誌JAMAネットワーク・オープンに発表された。
ブロークンハート症候群は、「ストレス心筋症」「たこつぼ症候群」とも呼ばれ、心筋が弱って胸の痛みや息苦しさなどの症状が出る。
心臓発作に似ているが、血管が詰まることではなく、ストレスによって誘発され、まれに死に至ることもあるが、大抵の場合は数日から数週間で回復する。

オハイオ州クリーブランド・クリニックの研究チームは、同州の2つの病院でこの春に心臓疾患の治療を受けた患者を調べ、過去2年間の同様の症例と比較した。
その結果、新型コロナウイルスが流行していた間の患者は2倍の確率で、ブロークンハート症候群を発症していたことが分かった。

今回の調査は、流行の初期のピーク時だった3月と4月に入院した250人あまりを含め、合計で1914人の患者を対象とした。
いずれも新型コロナウイルスには感染していなかった。

ブロークンハート症候群が増えた理由について研究チームは、新型コロナの流行による「心理的、社会的、経済的ストレス」と関係している可能性があると推定。
そうしたストレスの原因としては、「隔離措置や社会的交流の欠如、厳格な物理的距離確保のルール、生活に対する経済的影響」を挙げた。

「新型コロナウイルス以外の死者は増えている。パンデミックが生じさせたストレスのためにストレス心筋症が増えていることを、我々の研究は物語っている」と研究者は指摘している。