黒崎氏は(1)生唾測定実験、(2)乳頭舐め実験、(3)乳頭触診実験、(4)指先DNA量検証実験、(5)飛沫測定実験――を行っている。
生唾測定実験では、男性外科医の唾液を3回採取し、1カ月にDNA量を測定。0.555ng/µLから5.053ng/µLまで定量値に大きなばらつきがあった。
乳頭舐め実験では、男性外科医がベッドに横たわる4人のモデル女性の左乳首を5分間舐め、モデル女性が2時間半横たわったのち、付着物を採取した。DNA量は0.005 ng/µLから0.122 ng/µLだった。
乳頭触診実験では、男性外科医がベッドに横たわる3人のモデル女性の左乳首を5分間触診し、モデル女性が2時間半横たわったのち、付着物を採取した。DNA量は0.005 ng/µLから0.087 ng/µLだった。
指先DNA量検証実験では、男性外科医が3本の指で濡らしたガーゼを揉み、付着物を採取した。2回行われており、最初はDNA量が0.101 ng/µLと11.152 ng/µLと大きなばらつきがあった。2回目は抜き打ちで黒崎氏が男性外科医の勤務先の診察室を訪問し、説明をしてその場で試験を行った。説明の様子は撮影しており、法廷で上映した。DNA量は0.082 ng/µLから13.373 ng/µLと大きなばらつきが見られた。いずれも1時間でアミラーゼ反応の陽性反応が確認された。