https://jp.sputniknews.com/covid-19/202007147610662/
 重症の新型コロナウイルスから回復した元患者の血液を調べたオランダの学者らが、 抗体の1つがウイルスの働きを抑えることはせず、
逆に重症の炎症を引き起こすことを発見した。
この学者らはプラットフォームbioRxivにこの発見と、問題の回避方法について発表している。

この研究で、重症の新型コロナウイルスを病んだ患者の血漿から採取された抗体はコロナウイルスのSタンパク質に結合し、
マクロファージ細胞と作用して極めて重度の炎症を引き起こすことがわかった。
この他にもこう抗体は血栓の生成を促し、血管の壁の働きを乱してしまう。こうした全ては感染が重症化する主な原因とされている。

研究者らは「多くの患者の容態がある時、突如急変することがあるが、それは患者らの適応(獲得)免疫のスイッチが入る瞬間であることがこのことから説明がつく」と書いている。
このことから、コロナウイルスから完治した患者の血漿輸血は危険性がないとは言い切れなくなった。

オランダの研究者らはR406結合を用いることによって適応免疫のこうした反応を回避することに成功したが、
一方でこの方法が解明されたとしても、抗体を用いた治療は安全ではなく、細心の注意が要される以上、気を緩めてはならないと強調している。

科学者らは少なくともドナーの血清からこうした抗体を除去することを考えねばならないと進言している。