2020年7月18日 22時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200718/k10012522721000.html

イラン政府は、ことし1月に首都テヘラン近郊で起きた旅客機の撃墜事件をめぐり、飛行情報などを記録したブラックボックスを、調査協力を申し出ているフランスに引き渡したと明らかにしました。イラン側はアメリカとの緊張が高まる中、誤ってミサイルで旅客機を撃墜したことをすでに認めていますが、今後当時の詳しい状況の分析が進められるとみられます。

ことし1月、イランとアメリカの軍事的な緊張が高まる中、首都テヘラン近郊でウクライナ国際航空の旅客機が墜落して乗客乗員176人全員が死亡し、イラン側は旅客機を敵だと誤認し、軍がミサイルによって撃墜したと説明しています。

撃墜事件をめぐりイラン外務省の高官は地元メディアに対し、飛行情報や操縦室の会話が記録されている旅客機のブラックボックスを、調査の協力を申し出ているフランスに17日に引き渡し、20日から解析に向けた作業が始まると明らかにしました。

ブラックボックスをめぐっては、損傷が激しくイラン国内では解析できない状態が続いていて、多くの乗客が死亡したカナダをはじめ国際社会から早期の解析を求める声が上がっていました。

イラン側はこれまで新型コロナウイルスの感染拡大を理由にブラックボックスの移送が困難だと説明していましたが、解析技術の高いフランスに引き渡されたことで、今後当時の詳しい状況の分析が進められるとみられます。