7/20(月) 16:02配信
毎日新聞
 山口県下関市と北九州市で毎年8月13日に開かれてきた恒例の「関門海峡花火大会」は今年、新型コロナウイルスの影響で中止となった。お盆に帰省した人や、故人への思いを込めて1988年から続いてきた海峡を挟んだ夏の行事。来年以降開催されることを願って、下関市出身の美術大学生が、線香花火とインターネットを活用した独創的なイベントを企画した。

 イベントの名前は「海峡線香花火大会」。花火が打ち上がるはずだった8月13日午後8時に、ツイッターに線香花火の写真や動画を投稿してもらい、夜空ならぬタイムラインを彩ろうという企画だ。下関、北九州両市だけでなく、全国どこからでも参加ができる。線香花火を撮影する際には、周囲の環境や安全に十分配慮し、投稿には「#海峡線香花火大会」のハッシュタグをつけるよう呼び掛けている。

 企画したのは、下関市出身で武蔵野美術大(東京都小平市)4年の中村周生(しゅうせい)さん(22)。上京後も毎年、帰省し海峡花火大会を見てきた中村さんは「花火大会をきっかけに久しぶりの友達と会ったり話したりして、思い出に残る時間を過ごせた」と話す。現在は、下関市内の自宅でオンライン授業を受けているが、楽しみにしていた大会が中止となったことを知り「地元のために何かできないか」と、誰でも自宅から参加できる「海峡線香花火大会」を思いついた。関門海峡花火大会で打ち上がる1万5000発にちなみ、企画に賛同した「筒井時正玩具花火製造所」(福岡県みやま市)の線香花火1万5000本を当日までに両市の街頭で配る予定だ。

 線香花火などの資金をインターネット上で募る「クラウドファンディング(CF)」を7月31日まで実施している。30万円を目標に一口1000円〜2万円で支援を呼び掛けており、地元の商店や全国の花火ファンら大勢の人の賛同が集まっている。中村さんは「これまで関門海峡花火大会のことを知らなかった人にも知ってもらい、いつか下関や北九州に行きたいと思ってもらえればうれしい」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e1602523f0b9dd1500bb99aaa32adb1cbedbec4b