ソフトバンクグループ傘下の半導体設計会社、英アームの買収にコンピューターグラフィックス(CG)用半導体メーカーの米エヌビディアが関心を寄せている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

情報の非公開を理由に関係者が匿名で語ったところでは、最近数週間のうちにエヌビディアがアームを巡る可能性について打診した。他の買い手候補が現れる可能性もあるという。

アームを巡ってはブルームバーグ・ニュースが今月、ソフトバンクGが新規株式公開(IPO)ないし私募形式の取引を通じて、保有するアーム株式の全てあるいは部分的な売却を検討していると伝えていた。

関係者らによれば、エヌビディアは関心を寄せているものの、合意に至らない可能性もあり、ソフトバンクGがIPOを推進することもあり得る。ソフトバンクGとアーム、エヌビディアの担当者はいずれもコメントを控えた。

またソフトバンクGはアームへの買収提案の可能性を探るため、米アップルに接触した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

これらの関係者によると、両社は予備的な協議を行ったが、アップルには買収提案を推進する計画はない。アップルのハードウエア中心のビジネスモデルとアームのライセンス事業がうまく適合せず、アップルが重要ライセンスを極めて多くのライバル企業に提供しているため、規制上の問題も懸念されるという。

ソフトバンクGとアップルの担当者はこの件に関してコメントを控えている。

2020年7月23日 5:04 JST
更新日時 2020年7月23日 11:13 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-22/QDVW6ZT1UM1A01