7/23(木) 19:12
毎日新聞
 
 河野太郎防衛相は23日、陸上自衛隊通信学校(神奈川県横須賀市)を訪れ、陸海空の自衛隊員がサイバー防衛について学ぶ「サイバー共通課程」の授業を視察した。サイバー分野は、宇宙や電磁波攻撃への対処などの新領域とともに各国が能力を強化しており、自衛隊も人材育成を進める方針だ。

 河野氏は、サイバー攻撃への対処の早さを班ごとに競う演習などを視察した。終了後、記者団に「自衛隊の能力は通信基盤に依存しているところが大きい。ネットワークそのものを防護維持することが重要だ」と述べた。

 サイバー共通課程は昨年5月、陸海空自衛隊の共通教育として設置された。3カ月半の期間、コンピューターウイルスを使った自衛隊の情報通信ネットワークへのサイバー攻撃などからの防護について学ぶ。隊員らは課程を終えた後、各部隊でシステム防護などを担当し、国内外の大学への留学や企業研修などを通じて専門性を高めていく。

 自衛隊のサイバー関連部隊の定員は現在、陸海空合わせて580人。2023年までに「サイバー防衛部隊」を発足させ、千数百人に増やす。民間からも人材を採用する方針。トップレベルの技能を持つ人材は、事務次官級の報酬で処遇するという。

 政府は18年にまとめた防衛計画の大綱で、自衛隊の情報通信ネットワークに対する攻撃は「組織的な活動に重大な障害を生じさせる」と指摘。「専門的な知識・技術を持つ人材を大幅に増強する」としている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200723-00000048-mai-pol