0001apricot_chan ★
2020/07/23(木) 20:11:16.86ID:R4pkfwHG9米国は新型コロナウイルスの流行で既に大きなダメージを受けているが、ここ最近になって、銃撃事件がこれに追い打ちをかけるように増えている。シカゴでは6月下旬にも走行中の車からの発砲で1歳児が死亡、母親が負傷する事件が起きていた。また今月12日には、ニューヨーク・ブルックリン(Brooklyn)でバーベキューパーティーが狙われ、ベビーカーに乗っていた1歳児が死亡、男性2人が負傷している。
銃撃事件が急増している背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)による社会的・経済的苦境、アフリカ系住民に対する暴力への批判で動きが鈍くなっている警察、夏の陽気で増えた外出機会、ソーシャルメディアを通じて煽られるギャング間の抗争といった要因がある。
米紙シカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)は、シカゴ市で年初から7月13日までに銃撃された人の数が昨年の約550人から1901人へと跳ね上がり、死者も97人から373人と大幅に増えたと報じている。またニューヨークでも同時期、銃撃された人は795人に上り、死者も200人を記録した。こちらも昨年よりも大きく増えているという。7月4日の独立記念日の週末には、ストリートパーティーやバーベキューを楽しむグループへの発砲が全米で相次いだ。
■ソーシャルメディアで憎しみ増幅
加害者も被害者もその多くはアフリカ系の若者で、個人的な恨みや麻薬売買の縄張り争いを抱えた小グループやミニギャングのメンバーであることが多いという。シカゴにはそうしたグループが数百存在しているが、小さいグループになるとメンバーは5〜10人とかなり小規模で、抗争を監視したり和解を促したりすることは不可能に近いと警察は話す。
そして、こうした事件の多くは、写真・動画共有アプリ「スナップチャット(Snapchat)」での暴言や挑発によって始まるという。シカゴの牧師コーリー・ブルックス(Corey Brooks)氏は、このようなグループは相手を脅迫するヒップホップの動画を作って投稿し、それが致命的な攻撃にまで発展すると説明した。
■新型コロナの夏
これまでも、こうした事件が夏に増える傾向はあった。暑い昼間を避けて夜間に外出し、人々が遅くまでさまざまな集まりやパーティーに参加する夏は銃撃事件が増えるのだ。今年は新型コロナウイルスの流行がそれに拍車をかけている。数か月にわたった外出制限が、5月から6月にかけて緩和され、都市の住民は一気に屋外に出かけるようになった。
ニューヨーク市立大学(City College of New York)ジョン・ジェイ刑事司法カレッジ(John Jay College of Criminal Justice)のクリストファー・ハーマン(Christopher Herrmann)教授は、直近の抗争増加には、外出制限で抑圧された「暴力の蓄積のような面がある」と指摘する。
新型コロナの流行によって仕事がなくなり収入も減ったことで、ギャングやその家族への経済的なプレッシャーも高まった。ブルックス牧師は「私たちのコミュニティーには、安定した経済がない。そこに新型コロナウイルスの流行が加わり、さらにフラストレーションが高まった」と説明する。
■鈍い警察の活動
ブルックリンの牧師ギル・モンローズ(Gil Monrose)氏によると、警察の暴力に対する全米規模の抗議行動によって、警察の容疑者捜査や夜のパトロールが鈍くなっていることも、銃撃事件が増加している一因だという。今や「警察と地域社会はまるで戦争状態にある」とモンローズ氏は述べる。
他方で、コロナ流行が経済にもたらした打撃が影響し、警察の予算も削減されていると指摘するのは前出のハーマン氏だ。同氏は、過去に銃犯罪防止で多くの仕事をしてきたニューヨーク市警の特別犯罪対策部隊を市長が解体したことを批判した。
そして「問題は銃だ」「米国にはとんでもない数の銃がある」と語気を強めた。
2020年7月23日 18:15
https://www.afpbb.com/articles/-/3294769?act=all