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「アメリカの正体」芝染太郎著 興亜国際協会 昭和14

緒言

・・・蒋政権は禍根のロボットにしてその背後に存在する、彼をあやつる利己的な横暴勢力を覚醒せしめて、
その良心に覚めしめ、斯くして禍根を完全に芥除して東亞に永遠にして悠久且つ不動なる和平と福祉とを招来せんと期して居るのである。

東亞の禍根とは支那を植民地化したる欧米強国の横暴がそれである、
支那自身早くも之を看破し、適切なる処置を講ずべきであるに、また、あったに係らず、彼等にその明なく、
また力なく徒に惰性的に引きづられ、ますます禍根の拡大するを怖れざるものの如くであった、
而も更に欧米に依存して得々たる姿態の見らるるに於てその愚や憐れむべきものがあったのであり、あるのである。

欧米列強は口に正義を唱え和平を説き平等を叫ぶと雖も、その本心に至っては
利己排他、御都合主義で決して正道を往く者では無いのである。

・・・列強はそれ自身との利害に縁遠い事には、ただ遠吠えするのみである・・・