新潟県上越市立水族博物館「うみがたり」で、開館からわずか2年でイルカ4頭が相次いで死亡し、波紋を広げている。7月3日には雌のシロイルカが死亡し、開館時6頭いたイルカは2頭になってしまった。市は水族館の管理・運営者から飼い方などに問題はないとの説明を受けている。一方、専門家からは「水族館のイルカがこれほど連続で死ぬのは普通では考えられない」との指摘もある。相次ぐ死の謎は深まるばかりだ。(本田賢一)
リニューアルで盛況
 同水族館は、老朽化した旧市立水族博物館を建て替え、平成30年6月にリニューアルオープンした。市が保有し、横浜・八景島シーパラダイスなどを運営している横浜八景島(横浜市)が指定管理者となり管理・運営を行っている。バンドウイルカや愛らしいシロイルカ、世界一の飼育数を誇るマゼランペンギン(約130羽)を目玉に人気を博し、オープンから1年間の入場者は当初目標の1・5倍の約90万人に達した。
 市はリニューアルに合わせ、バンドウイルカ4頭、シロイルカ2頭の計6頭を計約9300万円で購入。所管する市教育委員会教育総務課によると、バンドウイルカは1頭約1400万円、シロイルカは約1850万円という。この購入額をみても、市がいかにイルカの集客力に期待していたかがわかる。
相次ぐイルカの死
 昨年8月には入場者数が100万人を突破して順風満帆だったが、死の連鎖はすでに始まっていた。
 開館から約20日後の30年7月に雌のバンドウイルカ「サシャ」(推定8歳)が、昨年3月には同じく雌のバンドウイルカ「アルク」(同7歳)が死亡。呼吸器系や膵臓(すいぞう)の病気が原因とされた。
 さらに今年5月20日、雌のシロイルカ「リーヤ」(同13歳)が腎不全による尿毒症で死亡した。3月下旬に体調を崩し、その後の検査で腎炎を発症していることがわかり治療を続けたが、救えなかった。

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