→一億年間休眠状態にあった細菌が復活した
→復活した細菌は活発に成長と分裂を繰り返した
→細菌は二酸化ケイ素(ガラス材料)の層に閉じ込められており一種のタイムカプセルの中にいた

太平洋の深部で冬眠していた一億年前の細菌が日本の実験室で復活しました。

細菌を含んでいた泥は南太平洋の海底6000mの海の底から、さらに100m深く掘られた硬い岩の中から採掘されたものになります。

この地層は通常の深海底と比べても遥かに栄養素が少なく、微生物が侵入できない二酸化ケイ素の層で覆われていました。

そのため内部から発見された細菌は、地層が形成された1億150万年前に閉じ込められたものであると考えられます。

また研究者が培養した結果、細菌は成長し、活発な細胞分裂をはじめたとのこと。

しかし細菌はどうやって一億年以上ものあいだ、生きながらえていたのでしょうか?


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■細菌は極貧栄養環境で1億年間パッケージングされていた

近年になって、地球の地殻深くにも生命が存在することがわかってきました。
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しかし海底にある特定の地層は他の地殻と比べて圧倒的に栄養素が足りません。このような極小栄養環境でも生命が存在できるかは、長い間わかっていませんでした。

そこで日本の研究チームは、南太平洋の水深6000mにある極小栄養環境として知られる地層を採掘しました。

この地層は栄養素が少ないだけでなく、周囲をガラスの材料として知られる二酸化ケイ素で覆われており、地層が形成された1億150万年前から生命の出入りが封じられた、一種のタイムボックスになっています。

研究者はこの地層を取り出して、窒素と炭素に特有の同位体を混入した(タグ付けした)栄養素を加えて培養をはじめました。

もしタイムボックスの中にまだ生きている生命がいた場合、新たに混入したタグ付きの炭素と窒素を取り込むはずです。

結果は驚きでした。

培養をはじめておよそ10週間あまりで、タグ付きの炭素と窒素は活発に成長・分裂を繰り返す小さな生命に取り込まれていることが判明したのです。

このことから、微生物は地球で最も貧しい栄養環境の中にあっても、1億年以上ものあいだ生きながらえていたのです。

また研究チームは、復活した6986個の細胞の遺伝子を分析して、どのタイプの生命が存在していたのかを調べました。

結果、そのほとんどが酸素呼吸能力をもった好気性の細菌であることがわかりました。

細菌たちは地層に閉じ込められている間に、一種の冬眠状態になることで活動を停止させ、生存に必要な呼吸やエネルギー消費を極限までなくし、復活の日を待ち続けていたのです。
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https://nazology.net/archives/65608