新型コロナウイルスを封じ込めてきたベトナムで再び市中感染が広がる兆しを見せている。

25日に中部の観光都市、ダナンで国内で約3カ月ぶりとなる感染者が確認され、
29日には首都ハノイなどの大都市でも感染が疑われる事例が相次いで見つかった。

これまでにない感染力が強いタイプとされ、警戒感が高まる。

国営メディアによると29日に北部のハノイと南部の商業都市、ホーチミン市など7つの省と市で感染が疑われる事例がみつかった。
近く正式に公表するとみられる。

フック首相は同日の政府会合で「短期間で状況が複雑になっており、
すべての省と市でコロナの感染リスクがある」と述べ、今後厳しい防疫措置を採用する可能性を示唆した。

29日朝までに判明した海外からの入国者を除いた国内での市中感染者はダナンや周辺都市の30人。
ダナンはベトナム有数の観光地で最初の感染者が見つかった時点で約8万人の観光客がいた。

飛行機などでそれぞれの自宅に戻ったため、感染者が全土に広がる可能性がでている。

ベトナムは24日まで国内の感染者が99日連続でゼロだった。
政府は今回のウイルスをこれまで国内で流行した5種類とは異なる新たなタイプと分析している。

感染力が強くなっているもようで、海外から持ち込まれた可能性があるとみている。 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62048690Z20C20A7FF8000/