内閣府は30日、平成24年12月から続いた景気拡大期間が30年10月に終わり、景気後退局面に入ったと認定した。

米中貿易摩擦などが影響し、景気回復は71カ月(5年11カ月)にとどまり、「いざなみ景気」の14年2月〜20年2月(73カ月)の戦後最長記録を更新できなかった。

景気後退は30年11月から、約1年9カ月続いていることになる。

認定したのは有識者で構成する内閣府の「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大学長)。

第2次安倍晋三政権が誕生した24年12月を起点とする景気拡大は、日本銀行による大規模な金融緩和で円安が進み、企業業績の回復や株高などを背景に、戦後2番目となる長さとなった。

ただ、ニッセイ基礎研究所によると、この間の実質国内総生産(GDP)成長率は年平均で1・1%。高度経済成長期の「いざなぎ景気」(昭和40年11月〜45年7月)の11・5%や、

「バブル景気」(昭和61年12月〜平成3年2月)の5・3%など過去の景気拡大局面に比べると勢いは鈍く実感も乏しかった。

米中貿易摩擦の激化に伴い輸出や生産が低迷し、昨年10月に実施した消費税増税や、新型コロナウイルスの感染拡大を受け景気悪化は深刻化。

実質GDPは令和2年4〜6月期まで3四半期連続でマイナスとなる見通し。

政府が緊急事態宣言を解除したことを受け、7〜9月期には再び景気は回復基調になるとの見方もあるが、感染第2波も懸念され見通せない状況だ。

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https://www.sankei.com/politics/news/200730/plt2007300013-n1.html