7/30(木) 21:07
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 昨年1月に野辺地西高校(青森県野辺地町)の男子生徒=当時(17)=が自殺した問題で、学校側が設置した第三者委員会は30日、「他の生徒、教職員からのいじめがあったとは認められず、度重なる失恋が原因と考えられる」との調査報告書をまとめ、同校を運営する学校法人光星学院(八戸市)に提出した。原因として校内でのいじめの可能性を訴えていた男子生徒の両親は、「到底納得できない」と不満を示した。

 第三者委の委員長である木下晴耕弁護士(青森市)が、野辺地町のまかど観光ホテルで光星学院の法官新一理事長に報告書を提出。その後、法人側が同町観光物産PRセンターで両親に報告書を渡した。

 自殺したのは当時2年生だった山田武(たける)さん。武さんは昨年1月16日に東通村の自宅で命を絶った。両親は武さんの教科書から「死ね」と書かれたメモが見つかったことや、ワイシャツの背中に靴跡をつけて帰ってきた出来事などを挙げ、「学校でいじめがあったのでは」と主張していた。

 学校側は両親の求めに応じ、有識者からなる第三者委を設置。同年8月から21回の委員会と教員や友人へのヒアリングを行ってきた。

 報告書で第三者委は、「死ね」と書かれたメモについて「(武さんが)記述を文字通り捉えて深刻に受け止めたものとも、何らかの苦痛や嫌悪感を抱いたものとも認められない」とし、いじめには当たらないと判断。ワイシャツの足跡についても、客観的証拠が存在しない−などとした。

 その上で報告書は複数の交際経験があったことを指摘。自殺原因について「度重なる失恋ということができるかもしれない」「失恋を直接のきっかけとして自死するに至ったものと考えられる」との見解を示した。

 光星学院は8月4日、私立学校を所管する県に報告書を提出する。「報告書の内容をよく読み、県への提出後に法人としての見解を示したい」としており、法官理事長も「これからのために報告書をしっかり読ませていただく」と述べるにとどめた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/40b38cefea5f7a9b8b9ce3826e76374e07b9b49f