県によると、男性は春日部市在住で、せきや発熱などの症状で新型コロナウイルス感染症の軽症と診断され、16日に羽生総合病院に入院。

無断外出時は、重い肺炎とせきで中等症に当たる症状があった。
 
県や病院関係者らによると、男性は30日午後10時ごろ、私服に着替え、コロナ病床と他のエリアを仕切る扉の鍵をこじ開け、ナースステーションの死角になっていた職員専用通路用のドアから抜け出した。

通路の出口は施錠されていたが、男性を見掛けた看護師が、「患者の家族」と名乗る男性の話を信じて出口を開け、男性はエレベーターで階下へ降りた。

 不審に思った看護師の連絡で、病院側は男性が病棟を出たことに気付き、正面玄関付近で姿を確認。しかし警備員らは感染防護装備をしていないため近付けず、男性は正面玄関からタクシーに乗り込んだ。病院は男性の家族や県春日部保健所、羽生署へ連絡した。
 
男性は自宅に戻った後、車で行方不明になった。家族は31日未明、行方不明届を春日部署に提出。同日午前3時すぎ、県は男性と電話がつながり、病院へ戻るよう説得した。男性はこのころ、三郷市内の勤務先にいたという。

 男性は31日午前9時ごろ、川越市内の温泉施設「小江戸はつかり温泉川越店」に入店。警察が車を発見し、1時間後、車に戻ったところを保護された。

男性は無断外出する前日までにも外出を何度も試み、「退院させろ」と主張したが、医師らから病状を説明され、あきらめたような様子だったという。

東京新聞より