ECMO治療の光と影 2020年06月08日
自治医大 讃井將満教授
www.humonyinter.com/column/med/med-03/
新型コロナ感染症には特有の難しさがあります。
特効薬がないこと。そして、後遺症が深刻なことです。

新型コロナ感染症が一部の人で重症化するのは、おもにふたつの理由があります。
ひとつは血管の壁の細胞へのウイルス感染によるものです。
もうひとつは免疫の暴走。いわゆるサイトカインストームです。

新型コロナウイルスには、今のところ、重症患者の命を救えるほどの強力な特効薬はありません。
戦う武器は本人の免疫力だけです。したがって新型コロナ感染症では、細菌感染症に比べてサイトカインストーム
が長く続きます。しかも可能な治療は、人工呼吸、ECMO、透析などで、低下した臓器機能を肩代わりするのみです。
さらに、上手く管理しないと人工呼吸やECMO自体が多臓器不全を悪化させてしまう。非常にやっかいな病気なのです。