なぜ暴言やヘイトスピーチが放置されているのか?

 リアリティ番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が自ら命を絶ったのは今年5月のこと。
木村さんはツイッターなどのSNSに寄せられる誹謗中傷に悩んでいたとされており、
この事件を機に、社会ではツイッターの使用法についての議論が巻き起こった。

「文藝春秋」8月号では、国際ジャーナリストの山田敏弘氏が笹本氏にインタビュー。
巨大化したプラットフォーム「ツイッター」をどのように管理しようとしているのか、本人に直撃した。

ツイッターで少し検索をかけてみると、「死ね」「消えろ」などの暴言、人種差別などに絡んだヘイトスピーチを数多く見つけることが出来る。
中にはツイッター社に通報された上で凍結されるアカウントもあるが、なぜ、放置されたままのものも存在するのだろうか。

「例えば、様々な目的でマイクを使って、街中でデモを行う団体がありますね。彼らはその発言によって逮捕されることはないですし、
デモを止められるということもないと思います。
それと同じでツイッター社としても、そのような内容の投稿を削除・凍結するということはできないのです。
我々は“法律”ではないので、もちろん言葉の難しさはありますが、個人の主張は尊重しなければいけないと考えています」

 ただ、笹本氏自身がツイッターを使用するなかで、歯がゆく感じることもあるという。
(中略)

 責任転嫁をするつもりは全くないのですが、利用者がこれだけ多くなった今、
ツイッターに日本社会の実情が投影されてしまっているという部分があることは、否めないと思っています。
つまり、日本社会に内在するヘイトやレイシズムが、ツイッターで表面化しているのではないかと。
ですから、社会全体で教育をおこなっていくことも非常に重要なのではないかと日々痛感しています。
そういうコンプライアンスや教育についての議論が、ツイッター上で起きてもいいんじゃないでしょうか」

https://bunshun.jp/articles/39455

■参考
>人種主義(レイシズム)とは、ルース・ベネディクト (1997: 116)によると
>「ある民族集団が先天的に劣っ ており、別の集団が先天的に優等であるように運命づけられている、と語るドグマ」のことである (Benedict 1945:98)。
>今日では、人間集団の社会的違いを、生物学を基調とする本質主義的な種的な違いをあら ゆるタイプの差別や 権力にもとづく選別に利用する考え、をそう呼ぶことができる。
https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/00_racism.html

「日本も人種差別に向き合うべきです」 ルース・ベネディクト「レイシズム」訳者の思い
https://mainichi.jp/articles/20200617/k00/00m/040/285000c