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夏の夜空を彩る「京都五山送り火」は、お盆の精霊を送る伝統行事です。東山に大の字が浮かび上がり、続いて、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、そして、嵯峨に鳥居形が点ります。これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財です。
(点火時間は各山とも約30分間。気象条件によっては点火時刻を変更する場合もあります)

【東山の如意ヶ嶽(大文字山)】

大文字送り火は従来から護摩木に自分の名前と病名を書いて火床の割木の上に載せて焚くと、その病が癒るという信仰があります。又消炭を持ち帰って粉末にして服すると、持病が癒るともいわれています。8月15日から16日にかけて先祖の霊や生存する人の無事息災が護摩木に記されます。
この護摩木は送り火の点火資材として当日山上ヘ運ばれ、当夜7時から山上の弘法大師堂でお灯明がともされ、大文字寺(浄土院)住職及び会員らにより般若心経があげられます。その後このお灯明を親火に移し、合図により一斉に送り火が点火されます。
大文字は市内中心部のどこからでも眺望できる位置ですが、足利家が最も眺めのよいように―条通を正面にした、京都御所の池泉にうつるようにしたなど、諸説があります。