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またソ連兵は、屋内に侵入して強姦や略奪を行いました。
この略奪というのは我々の想像以上に徹底していて、そこにあるものは全部持っていかれ、略奪後の家屋は、まるで廃墟同然となります。
これもまた大陸の流儀であり、戦時国際法違反の行為です。

混乱の中で、郵便局に出勤途上の上野班の電信受付係の折笠雅子さんも、ソ連兵によって射殺されました。
艦砲射撃やソ連兵の銃撃を避けて、途中の防空壕に避難した職員たちも、壕の中に手榴弾を投げ込まれて次々爆死しました。

真岡郵便局には平屋建ての本館と奥の2階建ての別館がありました。
本館は爆破されて中にいた全員が死亡しました。真岡郵便局は指揮系統を失いました。
こうして電話交換手の女子11名だけが、奥の別館に取り残されたのです。

彼女たちはソ連の攻撃が始まってからも、各方面からの電話交換業務を1時間以上も継続しました。
しかしはじめのうち遠くにあったソ連兵の銃撃の音がどんどん間近に迫ってきました。
さらに表側の郵便局本館も吹き飛ばされました。

この時点でもはやこれまでと悟った彼女たちは、本土に向けて最後のメッセージを送りました。