さいたま市は13日、同市西区中釘の介護事業所「小規模多機能型居宅介護 扇の森」で、70代の女性利用者2人と20〜50代の男性職員3人の計5人が新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染者集団)が発生したと発表した。重症者はいないという。

市保健所によると、70代女性の利用者が5〜6日にかけて施設に滞在、7日に意識レベルが下がり病院を受診し、8日に感染が判明した。女性のトイレ介助などを担当した30代の男性職員が8日に発熱し、9日に陽性と判明。男性職員の訪問介護を受けた別の70代女性の利用者が9日に発熱し、10日に陽性と判明した。

 高齢者の通所施設であり、複数人の感染が確認された場合は濃厚接触者に限らず組織全体を検査の対象にするとの厚生労働省の通知に基づき、市保健所が全ての職員と利用者の検査実施を決定。濃厚接触者と判断していなかった20代と50代の男性職員の感染が13日に判明した。職員12人は陰性、職員1人と利用者20人の結果は後日出るという。

 市介護保険課によると、同施設は職員の検温やマスク着用、消毒などを徹底していたと説明。運営する社会福祉法人「永寿荘」は、同じ建物で特別養護老人ホームを運営し、4月からは感染防止対策で、職員や利用者の交流を行っていないという。
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