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福岡はビジネスマンの出張や転勤先として、とみに人気の街だという。
まあそれは、もつ鍋や博多ラーメンに代表されるグルメや、中洲のいわゆる“夜の街”あたりも
背景にありそうで、コロナ禍の今の時代ではいささか事情は異なっているだろう。
ただ、福岡を圧倒的な“人気の街”にしているのはそれだけではない。

福岡人気を支えている要因に、間違いなく挙げるべきは「交通の便のよさ」である。
福岡県は、国内有数の交通の便のよさを誇っていると言っていい。
九州最大のターミナル・博多駅を中心に、福岡市内の地下鉄や北九州のモノレール、
さらには九州唯一の大手私鉄・西日本鉄道と、鉄道だけでも交通の充実ぶりがうかがえる。
というわけで、今回は福岡県の鉄道事情を探ってみることにしよう。

■空の玄関口とを結ぶ地下鉄

福岡の交通の利便性。それを端的に表しているのが福岡空港の“近さ”だ。
何しろ、博多駅からわずか5分。繁華街の天神からも10分少々である。
これだけ交通の便に恵まれている大空港はほかにない。羽田空港にしたって新千歳空港にしたって、
都心からはそれなりに時間がかかる。5分や10分というのはもはや驚異的である。

そしてこの驚異的な空港の近さを実現しているのが地下鉄だ。
福岡市内には福岡空港・博多・天神を通る中核的な空港線に加え、箱崎線・七隈線の3路線の地下鉄が通る。
福岡市の都市としての規模を思えば地下鉄が通っていることには何の違和感もないが、
とりわけ市内交通における空港線の重要性は高い。

福岡空港に降り立った人がまず乗ることになる鉄道はこの空港線だし、新幹線で博多駅に到着して
中洲や天神へ繰り出そうとするときにも空港線に乗る。さらには大濠公園やヤフオクドームといった
福岡のランドマークへのアクセスにも使うことができる。
地元住民はともかく、他の地方から福岡市を訪れた人にすれば、この空港線さえあればたいていは事足りる。
文字通り福岡市内交通の“大動脈”なのだ。

と、これで終われば福岡の地下鉄万々歳。しかし、実際に福岡に住んでいる知人に聞けば、
「実はあまり地下鉄に乗らないんですよねえ……」。やっぱり地方都市らしくマイカーがメインなのか。
「いや、バスですね」。

実は福岡市内には西鉄バスの路線バスが縦横無尽に通っている。福岡市民が市内を移動する際には
この西鉄バスを利用することが多いようだ。とくに博多駅と天神を結ぶ路線は間断なくバスがやってくるほどで、
地下に潜らねばならない地下鉄より便利、という意見もうなずける。

西鉄の天神大牟田線利用者にとっては、薬院駅でバスに乗り換えるという手段も一般的だとか。
まあ、この充実の市内バス、住んでいる人にとっては便利でも外からやってきた人はなかなか使いにくい
交通手段であることも事実である。

■広い県内を相互に連絡

ひとくちに福岡県といっても、実はその範囲はかなり広い。旧国名でいうと、筑前・筑後・豊前(の一部)にまたがっており、
現在では4つの地域に区分するのが一般的である。

まずは福岡市を中心とする福岡地方。もう1つは福岡県第2の都市である北九州市を中心とする北九州地方。
こちらには豊前市といった旧豊前国のエリアも含まれる。もう1つは筑豊地方。かつて国内最大規模の炭鉱でにぎわった一帯で、
直方市や飯塚市などが代表だ。最後は有明海に面する筑後地方。久留米市や大牟田市、柳川市などが含まれる。
で、この4つの地方を、鉄道路線が巧みに結んで県内全域をまとめあげているのだ。

中心になるのは博多駅や西鉄福岡(天神)駅を抱える福岡地方。そこから北九州地方に向けては
山陽新幹線や鹿児島本線が通る。鹿児島本線の特急「ソニック」「きらめき」は通勤利用も多い九州を代表する列車のひとつだ。
1時間に2本ペースと運転本数も充実している。

福岡地方と筑豊地方を結ぶのは福北ゆたか線。篠栗線・筑豊本線が正式名称で、筑豊本線はかつて
筑豊炭田の石炭輸送でにぎわった路線。それが2001年の篠栗線全線と筑豊本線折尾―桂川間の電化に伴って
福北ゆたか線の愛称を与えられ、県内の通勤通学路線として定着したものだ。

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