【モスクワ=田村雄】大統領選の結果に対する抗議行動が続くベラルーシで、辞任圧力に抵抗するアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(65)と、大規模デモで対抗する反政権派との攻防が激しくなっている。ルカシェンコ氏はロシアや欧米が呼びかける反政権派との対話を拒否しており、対立は長期化の様相を見せ始めている。

 タス通信によると、ベラルーシ国防省は23日、首都ミンスクに軍を出動させる可能性を警告した。軍が鎮圧に加わる構えを見せ、抗議行動の勢いをそぐ狙いがある。

 それでも、複数の独立系ネットメディアによると、反政権派はこの日、ミンスクで10万人規模のデモ行進を展開した。参加者数は20万〜30万人との情報もある。

 抗議行動は、9日の大統領選でルカシェンコ氏が80%の得票率で6選を決めたとの開票結果を受けて始まった。賛同するストライキも国営企業に広がった。

 強権統治で「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ氏は19日以降、捜査当局や治安部隊を駆使して巻き返しに出ている。

 一方、ロイター通信などによると、米国のスティーブン・ビーガン国務副長官は24日、反政権派の統一候補として出馬したスベトラーナ・チハノフスカヤ氏(37)と会談するためリトアニアを訪問する。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20200823-OYT1T50184/