[北京/シドニー 1日 ロイター] - 中国は1日、豪州産大麦の一部輸入を一時停止したと発表した。両国間の緊張が一段と高まる恐れがある。

中国税関総署(GACC)によると、オーストラリア最大の穀物輸出取扱業者であるCBHグレインが出荷した大麦に害虫が混入していた。

これに対しCBHは「中国向けの穀物輸出は衛生面で全ての政府要件を満たしている」とし、害虫混入の疑惑を否定。オーストラリア政府と協力して中国の決定に対応していく姿勢を示した。

中国当局は5月、豪州産大麦の価格が不当に安いとして、合計80.5%の不当補助金関税と不当廉売相殺関税を導入。これにより実質的に中国による豪州産大麦の輸入は停止されているため、今回の決定で貿易自体に大きな影響は出ない。

ただ、中国に本拠を置く穀物取扱業者は「豪企業に対する向かい風が強まる兆候」と指摘。オーストラリアの対中輸出を巡る懸念要因となる。

オーストラリアの今年の大麦の生産量は約1060万トンと予想されており、CBHがこの約30%を取り扱う。関税導入前は、中国はオーストラリアが輸出する大麦の最大70%を輸入していた。

https://jp.reuters.com/article/china-australia-barley-idJPKBN25S58Z