インターネット検索サイト「グーグル」の検索結果に逮捕歴が表示され、プライバシーを侵害されたとして、道内に住んでいた男性が米グーグルに削除などを求めた訴訟の控訴審で、男性は2日、札幌高裁への訴えを取り下げた。グーグル側が任意で表示を削除したため。男性の代理人は「グーグルは削除を命じた一審判決を重く受け止め、今後も表示されないよう対処すべきだ」と話している。

 昨年12月の一審札幌地裁判決などによると、男性は2012年に道警に逮捕された。嫌疑不十分で不起訴となったが、グーグルで名前などを検索すると逮捕を巡る報道が表示され続けていた。

 地裁判決は「本人の不利益が表示の必要性を明らかに上回る場合のみ削除を認める」とする過去の最高裁決定を踏まえ、グーグル側に検索結果の削除を命令。仕組みは不明だが、新たに別の検索結果が表示されるようになったことなどから、男性側が控訴していた。

 代理人によると、7月下旬にグーグル側から「すべて削除した」と連絡があった。現時点では男性の名前などを検索しても逮捕歴は表示されない。

https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/456471