東京電力福島第一原発事故の記憶や教訓を後世に伝えるため、福島県が整備した「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町)が完成し、5日、報道陣に公開された。20日に開館する。

 伝承館は3階建て、延べ約5300平方メートル。館内では事故発生時の原発の状況や住民の避難生活、長期化する復興の道のりなどを大型スクリーンの映像で紹介している。約150点の展示品の中には、事故対応の拠点だった「オフサイトセンター」で使われたホワイトボードもあり、手書きで記された機材などのメモが事故当時の混乱を伝えている。

 原発事故で全町避難した双葉町では今年3月、初めて一部地域の避難指示が解除された。伝承館は約53億円を投じ、この解除地域に建設された。

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廃炉作業などを行う映像が映された館内(5日午後、福島県双葉町で)=武藤要撮影

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