2020/9/10 6:29

山火事の煙によって、シリコンバレーの空が不気味なオレンジ色に染まった(9日)
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【シリコンバレー=佐藤浩実】「世界の終わりみたいだ」――。米カリフォルニア州北部のサンフランシスコや周辺地域で9日、空が不気味なオレンジ色に染まる現象が起きた。同州で多発している山火事の煙によって、日光が遮られたためだ。空気の悪化や計画停電など山火事の影響が広がるなかで、住民の不安を増幅させている。

空がくすんだ夕焼けのようになる現象は9日朝に確認され、昼すぎも続いている。地元紙サンフランシスコ・クロニクルによると、周辺の山林で発生した火事の煙が強風で低空に流れこみ、太陽の光が遮断されたことが原因だという。米IT(情報技術)大手が集積する「シリコンバレー」と呼ばれる地域では、住民らがSNS(交流サイト)に続々と異様な空の写真を投稿した。

カリフォルニア州では落雷や熱波によって8月から多数の山火事が発生し、東京都の4.2倍にあたる約9300平方キロメートルの山林が消失した。年別で過去最大の消失面積となり、風向きによって都市部でも空気の悪化が目立つ日が増えている。山火事の広がりを警戒する地域電力大手は計画停電も実施しており、住民生活の重荷になっている。

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