弘前市は11日、LGBTなど性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係として認める「パートナーシップ宣誓制度」を12月に導入することを検討していると明らかにした。桜田宏市長が市議会定例会で一般質問に答えた。実現すれば、東北で初の導入例となる。

 当事者の申請に基づき自治体がカップルと公認し受領証を発行する。市立病院でパートナーの手術同意の際に活用できたり、保険会社が認めればパートナーの生命保険の受取人になれたりすることが期待される。

 対象者を「2人とも市在住で、両者もしくは一方が性的少数者」と規定。同性カップルに限定せず、トランスジェンダーなど戸籍上は男女のカップルになるケースにも配慮する。

 市内で同性のパートナーと暮らす40代男性は議会を傍聴し「東北の他自治体の後押しになれば良い。性的少数者は三者三様なので、多くの当事者の声に耳を傾けて制度を作ってほしい」と期待した。

 市は性的少数者への配慮を掲げ、昨年から一部公的書類の性別欄をなくすなど取り組みを進めてきた。15日に制度導入に関する意見公募(パブリックコメント)を始める。

 パートナーシップ制度は2015年、東京都渋谷区が全国で初めて条例化した。既に50以上の自治体で導入されたが、宣誓に法的効力はなく、内容は自治体によって異なる。

 桜田市長は「悩みや生きづらさを抱えている当事者に、弘前市が暮らしやすいまちであると感じてもらいたい。市民にも正しい理解が広まるよう取り組んでいく」と語った。

河北新報 2020年09月12日 土曜日
https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/202009/20200912_21006.html