自民党総裁選(14日投開票)に立候補した石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長は13日、NHKの討論番組で憲法改正へのスタンスをそれぞれ語った。いずれも改憲に前向きな姿勢を示したものの、安倍晋三首相が主導した9条への自衛隊明記を含む改憲4項目の扱いでは見解が分かれた。

 菅氏は憲法改正に「挑戦していきたい」と強調。改憲4項目は「党総務会で決定し、党大会でも決定をされている」と述べ、議論のベースになるとの考えを示した。改憲の具体的な手続きについては「(国会の)憲法審査会の中で与野党がそれぞれ自らの党の考え方を議論する。総裁として環境は作っていきたい」とした。期限を区切って議論を進めるべきかどうかは、「国会に任せるべきだ」と否定的な考えを示した。

 岸田氏は改憲4項目について「極めて現代的な国民生活に直結する問題」と述べ、4項目を中心に議論する考えを示した。改憲への手続きでは「国民の理解なくして国会の議論も進まない。最後は国民投票という形で判断される。国民とともに進めていきたい」と強調した。改憲時期については「特定の期限を設けることは考えない」とした。

 石破氏は改憲4項目について、正式に党議決定されていないとの認識を示し、野党時代の2012年に作った党憲法改正草案をベースに議論すべきだと主張。「(国民に憲法を)変えて欲しいと実感してもらうために、国会、政党は役割を果たすべきだ」と述べ、国会議論を活性化すべきだとの認識を示した。

 国民投票法については「お金を持っているところが、ばんばんテレビCMが流せる。本当にそんなことでいいのか」と述べ、CM規制の必要性を訴えた。(伊藤弘毅)

朝日新聞 2020年9月13日 17時48分
https://www.asahi.com/articles/ASN9F5S6WN9FUTFK11L.html