https://news.yahoo.co.jp/articles/86c58e0d2faeb8a3f0fd55df1955ba1ba372cd4c
 自民党の山下貴司元法相は、平成22年9月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で海上保安庁巡視船に中国漁船が故意に衝突した事件に関し、中国人船長の処分保留による釈放が当時の菅直人首相の指示だったとした前原誠司元外相の証言について、自身のフェイスブックに「前原議員の勇気ある発言を多としたい」と投稿した。

 当時、法務省国際刑事企画官をしていたという山下氏は、前原氏の証言について「僕の認識していたところとだいたい一致してます」と指摘。「こんな官邸主導の釈放事件があったので、僕は検事を辞めた」とし、衝突事件が退職のきっかけだったと記した。山下氏は24年12月の衆院選で初当選した。

 山下氏は「まともな政治がなければまともな法治国家にもならない。当時は、『国の出先機関は与党の地方組織であるべき』と主張する民主党議員もいて、『それじゃ地方検察庁も民主党の地方組織になるのか!』という危機感もありました」と投稿。「このことで日本政府が失ったものはあまりにも大きかった」とも訴えた。

 また、事件発生時に外相だった岡田克也元副総理がブログで、船長の釈放について「これ以外に方法はなかった」との見解を表明したことについては「当時の事情を知る者として、さすがに『ふざけるな!』と言いたい」とした。

 衝突事件をめぐっては、那覇地検が中国人船長を処分保留で釈放し、当時の菅政権は「検察独自の判断」と強調。「政治介入」を否定してきたが、前原氏が今月の産経新聞の取材に、船長釈放は「菅首相の指示」だったと証言した。