菅義偉官房長官は14日午前、安倍政権の官房長官として事実上最後となる3213回目の記者会見に臨んだ。7年8カ月間務めた官房長官を辞めたいと思ったことはあるかと問われ「何回もある。国会運営がうまくいかない時、(2015年に成立した)平和安全法制(安全保障関連法)とか、眠れないようなことはたびたびあった」と吐露した。

菅氏は官房長官時代を振り返って「次から次へと新しい課題が来る。それが国家運営だなと痛切に感じている。課題に的確に対応するため、なるべく幅広く現場の皆さんの声をうかがいながら、アンテナを高くするように心がけてきた」と述べた。長く続ける秘訣(ひけつ)については「しっかりとした判断をするには、体調維持が大事で、毎朝散歩などをして調整してきた」と説明。政治の師である故・梶山静六元官房長官を超えたかとの質問には「まだまだ足りないところばっかしだと思う」と述べた。

また記者会見について「政府の立場や見解を正確に発信する貴重な機会であり、しっかり準備し、丁寧に誠実に臨んできた。すべての会見が一つ一つ印象に残る」と述べた。丁寧な説明になっていないとの批判があることについては「そうしたことを含めて、会見はなかなか難しいとずっと思って続けている」と釈明。「次のステージ」での会見での対応ぶりについては「だいぶ変わってくると思う」と述べた。

新長官就任までは副長官が代行

菅氏は14日午後に開票される自民党総裁選で新総裁に選出される見通しで、新長官が就任するまでの間の定例会見は官房副長官が代行する予定だ。【秋山信一】

2020年9月14日 12時34分 毎日新聞
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