マスク着用を拒否した男性。匿名を条件に取材に応じた。(47NEWS)

客室乗務員への威圧的行為があったとして降ろされた、
首都圏在住の30代男性が実名や職業などを明かさないことを条件に
リモートでのインタビューに応じ、一部始終を語った。(共同通信=助川尭史)

―ピーチを利用した際にはなぜ事前に申告しなかったのですか。
 旅行を終え、家族のいる大阪府に帰るために釧路発関空着の便を利用しました。

―その後なぜ臨時着陸に至ったのですか。

 総責任者が私の席に来て命令書を読み上げはじめました。具体的な安全阻害行
為については空欄だったので「なんの行為が該当するのか」とペンで該当箇所を
指摘して、有効なのかも問いただしました。一方、総責任者は大きな声で遮るよ
うに読み上げるだけで、回答しないまま帰っていきました。その後も席で質問状
を書いていると降下が始まり、新潟空港に到着しました。

 ―着陸後の機内では何があったのですか。

 機内にピーチの職員3人と見守りの警察官が入ってきました。私は飛行機か
ら降りるつもりはありませんでしたが、事情の説明が長くなってしまうと思い、
誤解を解くために自主的に機外に出ることにしました。周囲からは「出て行け」
と言われ、職員と話をしている私につかみかかろうとする乗客もいました。
席を立ったときには拍手が起きました。機内の私をつまみ出せという雰囲気に
応えたピーチに喝采を送る状況に、排他的な日本社会の縮図を見た気になり非
常に悲しい気持ちになりました。そんな機内の空気に対して「バイバイ」
とつぶやきました。泣きそうなくらい悔しかったです。