8月輸出14.8%減 自動車など低迷、減少幅は縮小
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2020年9月16日 10:15 日本経済新聞

財務省が16日発表した8月の貿易統計速報によると、輸出の総額は5兆2326億円で前年同月から14.8%減った。新型コロナウイルスの影響による経済停滞で自動車を中心に低迷が続いているが、減少幅は3カ月連続で小さくなった。

経済活動をいち早く再開した中国向けの輸出は1兆2616億円で5.1%増えた。増加は2カ月連続となる。スマートフォン関連の需要を映して半導体などの製造装置が増えた。欧州連合(EU)向けも19.2%減の4762億円となり、減少幅が縮小した。

米国向けの輸出は21.3%減の9368億円。減少幅は前月の19.5%より大きくなった。航空機のエンジン部品や医薬品、建設用・鉱山用機械などが落ち込んでいる。新型コロナの影響で今春から急減していた自動車輸出は4%の減少にとどまった。

貿易収支は2482億円の黒字になった。黒字は2カ月連続で、109億円だった7月から拡大した。黒字の拡大は国内の需要の弱さを反映して輸入の大幅な減少が続いている影響も大きい。8月の輸入額は4兆9843億円で20.8%減った。

輸入の減少は燃料の需要減によるものが大きい。原油はアラブ首長国連邦(UAE)からの輸入を中心に52.5%減った。液化天然ガス(LNG)は44.2%減、石炭も42.3%減と落ち込みが続いている。