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大貫外事課長談

『相手がなかなかの強か者で骨を折らせたが、たたけばいくらでもほこりが出るには
こちらもちょっとびっくりしたよ、すっかり取調が終ったのではないが
ドル買は彼らが本腰を入れてから比較的短期間で円が余り海外に逃避しないうちに検挙しつくしたので
財界の影響も殆んどなかったことに満足する
わが財界の後方攪乱を意図していた彼らにはちょびっとばかりお気の毒みたいなわけだが……』

広利ロシヤ係長談

『クラスラウスキーが糞落つきに落ついて人を喰った応待は今でも癪に触っているが
洋服箪笥の下の秘密室の壁の中から手の切れるような札束や機密書類などが出て来たときは
さすがの奴も愕然として鮮かな日本語で「よういわんわ」とほざいた態はとても痛快だったよ』

【出典】神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 犯罪,刑務所および免囚保護(7-165)大阪朝日新聞 1938.9.17 (昭和13)