菅内閣が16日に発足したことを受け、今後の焦点になるのが衆院解散の時期だ。

衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、自民党内では「ご祝儀相場」で支持率が高まりやすい政権発足直後に解散し、
来月にも衆院選を断行すべきだとの意見も浮上。菅義偉首相は新型コロナウイルスの感染収束を一つの目安に挙げるが、
早期解散に踏み切るとの観測がくすぶる。

菅首相は16日の就任会見で衆院解散について「コロナの感染拡大防止と経済との両立に、まず全力を挙げて取り組みたい」と強調。
「時間の制約も視野に入れながら考えたい」とも話した。公明党には「コロナ禍中の選挙はあり得ない」(幹部)と慎重論が強い。

与党内には菅氏の答弁能力を不安視する声があり、野党の追及が激しい国会論戦を避けたい思惑も「早期論」を後押しする。
野党第1党の新「立憲民主党」の発足直後で選挙態勢が整っていない中、最速で10月13日公示、同月25日投開票の日程が取り沙汰される。
11月中に投開票や解散があるとの見方も出ている。

年末か、年明けの通常国会冒頭の解散論も浮上。ただ、この時期は2021年度予算の編成や国会審議と重なり、成立時期に影響を与えるのは確実。
12月に衆院選の投開票があった12、14年はそれぞれの翌年、暫定予算の編成を余儀なくされた。冬場はコロナが再流行する恐れもある。

次のタイミングは予算成立後の来年4月以降。だが公明党は、7月に見込まれる東京都議選を重視し、
支持者の選挙疲れを懸念して前後3カ月は国政選挙を実施しないよう求めている。

7月23日から9月5日は東京五輪・パラリンピックが予定され、並行して衆院選を行うのは困難だ。

来年9月には自民党総裁選が行われるが、この時期まで菅首相が解散しない可能性もある。
10月の衆院議員の任期満了も近づき、与党内には「追い込まれ解散」で不利になるとの声も出ている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/56012