現代社会においてヒキニートが増加している背景として、
「昔は貧乏だったから皆働くしかなかった。
現代は豊かになったから、働かずに生活できるようになったからヒキニートが増えた」
みたいな分析をする人がいるけど、
それって、果たして本質的な問題かな?

思うに、単に物質的な貧富のせいと
いうよりも、封建的・固定的な身分制度が
崩壊したことの方が原因としては大きいんじゃないの(そもそも豊かになったからってヒキニートになる説明にはならんし)。

江戸時代はいわずもがな、
戦後でさえ本当の意味で身分制度が
崩壊したのって、早くとも70年代に入ってから
という気がする。

それまでは、農家の子は農業を、
自営業の子は家業を継ぐのが当たり前だったし
ホワイトカラーの職につくのは
やはり親御さんが似通ったような仕事を
しているケースが多かった。

現代社会では、己の才覚と努力次第で
様々な職に就くことができるようになり選択の幅が広がったわけだろう?

しかし逆に言えばキャリアを選ぶために
考えなくてはならないし、
考えた結果選択をミスったら「あの時他の選択をしていれば」みたいに後悔することだってあるわけだ。

つまり社会的な身分が流動的になった
結果として、「選んだ自分を認められないやつ」
「何者にもなれないやつ」が現れる。
それこそがヒキニートの本質なんじゃねーかな。