>>616
武勇伝のように笑い話にする人は、そんなにいないと思うけど、事故を起こ
したくらいで何で自分がこんなしんどいことをしないといけないんだと、思
っている人は多いと思う。

数年前に運転免許試験場の行政処分の講習を受講しに行った時に、試験場の
廊下の壁に、ある事故を起こした加害者の手記が貼りされたいた。
事故を起こして被害者を殺してしまった経緯や被害者の葬儀に訪れた話など
が綴られていた。最後に、被害者を殺してしまったことについては、一生か
けて償っていくと書いてあった。

現在は、大半の運転者は自動車保険に入っているので、損害賠償金の殆ど全
額をそれで賄うことができるだろう。刑事的責任として交通刑務所に入るこ
とはあるだろうが、民事的責任ではそんなに大きな負担はかからない。

この手記を書いている加害者も本当にそう思って書いているだろうし、嘘を
書いているわけではないだろう。しかし、「一生かけて償っていく」と言う
のは、あくまで心情的な問題だろう。自動車保険を契約していれば、それで
すぐに償うことができる。
しかし、自動車保険に入っていなくて、実際に数千万円のお金を毎月数万円
を何十年もかけて払い続けないといけない立場になった時に、「一生かけて
償っていく」と心からそう思えて、そう口に出すことができるだろうか。