JR東日本とJR西日本が、終電(最終電車)時刻の繰り上げを社長記者会見で相次いで発表しました。コロナ禍による利用客減が背景にありますが、理由はそれだけではないようです。鉄道ライターの土屋武之さんが解説します。【毎日新聞経済プレミア】

JR西日本は8月26日、近畿エリアの主要線区で10〜30分程度、終電の時刻を繰り上げ、約50本の運行を削減すると表明。JR東日本も9月3日、終電の時刻を30分ほど繰り上げ、終着駅への到着を深夜1時ごろまでにすると発表した。対象の東京100キロ圏には高崎(群馬県)、水戸(茨城県)、熱海(静岡県)も含まれる。

 いずれも2021年春のダイヤ改正を機に実施される見込みだ。

 ◇ダイヤ改正にとどまらない大転換

 横浜、さいたま、千葉あたりまでの東京近郊の終電は、深夜0〜1時台まで走るのが一般的となって久しい。

 例えば中央線・東京発の終電は、東海道新幹線開業(1964年10月1日)に伴うダイヤ改正から0時35分発の各停三鷹行きが定着。三鷹駅には当時、1時18分ごろ着いていた。20年3月14日のダイヤ改正でも0時35分発は変わっておらず、快速武蔵小金井行きとして運転している。三鷹駅到着は1時7分だ。

 一方、東京や大阪から鉄道で50〜100キロの郊外エリアは、バブル景気などによる都心の住宅難で通勤圏が拡大したことを受け、60年代とは比べものにならないほど終電時刻が遅くなった。

 新宿駅から81・5キロ(営業キロ)の木更津駅までは、今は23時6分発の中央線快速・東京行きに乗れば接続がある。だが64年当時だと、20時55分発の各停千葉行きに乗らないと帰れなかった。大阪駅から87・9キロ(同)の姫路駅へは、64年は22時26分発の宇野行きが最終だったが、現在は0時発の新快速がある。

 ここまで継続・拡大し、浸透した終電のネットワークを縮小するのだから、単なるダイヤ改正にとどまらない、方針の大転換と言える。猪瀬直樹・元東京都知事が東京の24時間化を唱え、渋谷―六本木間で都バスの24時間運行を始めたのが13年12月。運行はごく短期間の試験で終了したが、わずか7年ほど前の話である。

 ◇繰り上げの理由は?

 東西のJRが終電時刻を繰り上げる理由は一つではない。複数の事情が重なって今回の判断に至ったことは、両社の発表からもうかがえる。

 まず大きかったのが新型コロナウイルス感染症の流行だ。外出自粛によってリモートワークが浸透し、通勤客自体がそもそも減少した。さらに深夜帯は、繁華街の飲食店の「早じまい」も影響して大幅な利用減が見られる。

 JR東日本によると、山手線(上野―御徒町)では0時台の内回り電車6本の利用率が、コロナ前と比べて66%減となっている。これは、朝のラッシュ時間帯の36%減よりはるかに大きい。

 もう一つ、鉄道業界の深刻な「内部事情」がある。深夜から早朝にかけて行われる線路保守業務の要員確保が難しくなっていることだ。深夜中心の不規則な勤務形態や待遇面などの問題もあるが、根底には「少子化」という大きな時代の流れがある。

 一方で作業量はかえって増えており、労働環境の改善は急務だ。にもかかわらず、08年と19年を比較すると、JR西日本では約23%も作業員数が減少している。

 そこで終電時刻の繰り上げにより、線路などの保守・修理にかける時間を拡大し、一晩あたりの作業量を増やす。あるいはセッティングや片付けに時間がかかる大型機械による保守を容易にする。こうした対応によって作業員が休日を取りやすくすることが、大きな目的として挙げられている。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bcb7fd02301530fdac8c1d1407d00979c9ab7da
https://amd.c.yimg.jp/amd/20200922-00000004-mai-000-3-view.jpg

★1 2020/09/22(火) 12:50:47.90
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