0001朝一から閉店までφ ★
2020/09/28(月) 18:10:56.40ID:eB5bZ2Zy9「タナカ」――。ミャンマーで日常的に耳にするこの言葉。日本の「田中さん」のことではない。2千年の歴史を持ち、子どもから大人まで現在も広く使われているあるものを指す名前だ。そんなミャンマーの「タナカ」に今、改めて光が当たっている。(ヤンゴン=染田屋竜太)
「これが私のモーニング・ルーティン。タナカで一日が始まります」
ミャンマーの最大都市ヤンゴンに住む大学生のキンウータンダーさん(22)はそう話しながら、長さ20センチほどの木片を両手で板状の石にこすりつけた。木片はタナカの木から取ったもの。樹皮が削れてできた粉に時折スプレーで水をふきかけ、また木片をこする。
できあがった白っぽい液をまず顔全体につけ、少し乾かしてからほおのあたりに円く塗り重ねる。「子どもの頃からの習慣。5分もあれば終わります」
ミャンマーでは、子どもは男女関係なく、大人は主に女性がタナカで顔を彩る。キンウータンダーさんは友人と出かける時などにはいつもタナカで化粧をするという。以前、外国産の化粧水を使って肌が荒れてしまったことがあったが、「タナカをつけるといつも肌の調子がいい」と話す。
ミャンマーのタナカ研究者ターフラ氏の著書によると、ミャンマーでは日焼け止めや美肌に効果があるとされ、約2千年前から顔や体に塗る習慣があった。タナカの木は乾燥を好み、ミャンマー中部の乾燥地帯が中心的な生産地。タイやインドの一部にも生育する。
木片は直径10〜20センチ。露店などで数十センチほどの長さに切って売られ、質によって値段は1千チャット(約80円)〜1万チャットほど。ミャンマーでは今でも多くの家庭にタナカの木片と、それをこするための石板があり、子どもたちは「顔を洗ったらすぐにタナカをつけないと悪いことが起こる」と親から教えられるという。
https://www.asahi.com/articles/ASN9S3TVWN9NPTIL003.html