皇族などが来県した際の「貴賓車」として山口県が購入したトヨタの最高級車「センチュリー」が2017年度以降、貴賓に13日しか使われていないことが県への取材で明らかになった。今年度も一般会計予算から2090万円を支出して1台購入し現在2台を所有しているが、1日時点で当面、貴賓を乗せる予定はない。日ごろは専ら県議会の議長車として使われており、県民からは「高い買い物だ」との声が上がる。

 山口県によると、同県は00年度以降、02年度に1061万円、07年度に1139万円、13年度に1260万円でセンチュリーを購入。3台を県議会議長車、副議長車、貴賓車として使ってきた。今年度に入って02年度と07年度購入の2台が老朽化したため下取りに出し、7月に新たな1台を購入。現在はそれを議長車兼貴賓車とし、もう1台を副議長車にしている。

 しかし、今年買い替えるまで貴賓車として使っていた02年度購入の1台に貴賓を乗せたのは、運転日誌が残る17年度以降、計13日(17年度3日、18年度6日、19年度4日)のみ。とりわけ皇族を乗せたのは18年10月の全国都市緑化祭(山口市)で来県された秋篠宮ご夫妻の2日だけだった。

 天皇、皇后両陛下が地方などを訪れる行幸啓(ぎょうこうけい)では宮内庁が専用車両を用意するのが一般的で、国は貴賓車の用意を自治体に義務づけてはいない。貴賓として想定されるのは他の宮家や海外からの賓客などで、全国的には「地元タクシー会社のハイヤーで対応している」(広島県)、「この何年か皇族の来県がないことなどを考えると本県に専用車を用意しておく余裕はない」(青森県)、「宮家などが来県した際は副知事用のクラウン(取得費630万円)かフーガ(460万円)を使う」(福岡県)といった対応が大勢だ。

 山口県は「貴賓対応の車は必要。本県は安全性を考えてセンチュリーにしており、県内にはセンチュリーを借りられるハイヤー業者がないため購入している」と理由を説明する。2台のセンチュリーが貴賓に使われることなく事実上、県議会の正副議長車になっていることについては「かつて3台あったセンチュリーを2台にして、議会公用車と兼ねることで経費節減、合理化を図った結果だ」としている。【降旗英峰】

■センチュリー

 トヨタが技術の粋を集めた国内最高級車で、宮内庁が皇族用車両に採用。ロールスロイスなどに並ぶ「日本のショーファーカー(お抱え運転手と乗る車)」と称され、大企業トップなどを中心に愛用されている。かつては官公庁や地方自治体でも採用されていたが、財政が厳しい近年は支出削減などを理由に使われなくなりつつある。山口県が今年購入した現行型は2018年、21年ぶりにモデルチェンジ。ハイブリッド化などで700万円以上値上がりして話題になった。

2020年10月1日 17時37分 毎日新聞
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