(CNN) スペイン・マドリードの空港の貨物ターミナルで、段ボール箱に入れられた大量のひよこが死んでいるのが見つかった。3日間にわたり、えさも水も与えられず放置されていたとみられる。

スペイン国家警察が7日に発表したところによると、計2万6000羽いたこれらのひよこは生まれてから数日しかたっておらず、うち6000羽は警官が到着するまでに死んでいた。まだ息のあったひよこも低体温症にかかり、生き延びようと死んだ仲間の死骸を食べていた。

警察によれば、ひよこの入った段ボール箱は雨に濡れて破損しており、輸送を続けることが「不可能」になっていたという。警察は先週末にひよこに関する通報を受けたとしているが、ひよこがどこへ運ばれることになっていたのかは明らかにしていない。

動物保護に携わる2団体が4日、警察からの連絡を受けてスタッフを派遣。生き残ったひよこを助け出した。

両団体はソーシャルメディアを通じて、これらのひよこの引き取り先を探した。過酷な環境に置かれていた影響で救出後も死ぬひよこが後を絶たなかったが、最終的に約3200羽を複数のグループに分け、新たな住処へと送った。

警察によれば、マドリード・バラハス空港の運営会社がひよこを運搬していた企業に問い合わせたものの同企業は運搬物に対する責任を果たすことを拒否。ひよこは貨物ターミナルに放置されたままとなっていた。

現在この問題に関する捜査が行われている。ひよこを放置した責任者は動物虐待の罪で起訴される可能性があるという。

ひよこの救出に当たった保護団体の代表は、「このままですませてはならない。徹底した取り組みにより、同じことを二度と起こさないようにする必要がある」と強調した。

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